一番くじ、13000歩の果てに
思えば私の青春は、一番くじと共にあったと言っても過言ではない。
具体的な青春エピソードとしては、
- 開店前のアニメイトに突撃
- 穴場(?)本屋まで自転車を30分以上飛ばす
- 父親に無理矢理引かせてA賞を当てる
などがある。青春とは一体。
そして今回、「くじを求めて13000歩、計6店のセブンを彷徨い歩く」という新たな青春エピソードが追加されたので、ここに記しておく。
1店舗目
とりあえず家から一番近いセブンへ。コラボグッズ発売日にもお世話になったところだ。あの日のイケメン店員さんがいなくて良かった。
くじは置いていなかった。
アイスを買うともらえるクリアファイルは、あと1種類が数枚残っているだけになっていた。
うちの近所にこんなにスプラ好きがいるってマジ??一緒に遊びませんか??当方ぼっちです。
2店舗目
2、3店舗くらいは回っても仕方がないか、と思っていたので、現在地から一番近いセブンを検索し、そこへ向かった。
ちなみに、一番くじを引きたいときには公式サイトの店舗検索で調べてから向かった方がいい。そもそもくじを取り扱っていない店舗も多いからだ。
結果、くじは置いていなかった。
しかし2店舗目には、なんとクリアファイルが全種類、たっぷり残っていた。
最寄りのセブンにはなかった、一番欲しいデザインがある!!!可愛い!!
思わずアイスに手を伸ばしかけたが、この時点でも20分以上歩いている。このクソ暑い中20分かけてアイスを持って帰るのか?ていうかくじは?
しばしの葛藤、結局ファイルはもらわず、3店舗目へ。
3店舗目
3店舗目はちょっと遠かった。
もう2駅分は歩いて汗だくになっていたので、店の涼しさが気持ちいい。
店内には、明らかに今からここに景品が並びます!と言わんばかりの空きコーナーがあった。
まだ入荷してないのか。くじについて聞こうかどうしようか、棚の影に隠れてモジモジとしていたら、近くにいた店員さんたちの話し声が聞こえてきた。
「未定なのよねぇ」
!!
私の他にも、くじの入荷を心待ちにしている人がいる!!
店内には、小学生男子軍団がいた。絶対あの子たちだ。土曜の昼間、ゲーム仲間とチャリを飛ばしてセブンまでくじを買いにきたんだ。
青春や・・・
青春拗らせおばさんは、少年たちに愛の一瞥を与えながら、店を出た。
4店舗目
一番くじ探しの旅は、難航していた。
発売当日の昼間、まだ入荷していない店があっても無理はない。
それでも、発売当日に獲りに行きたかった。
昔、「おそ松さん」にハマった時、一番くじが秒で売りきれる様を見た。
本当に「秒」だった。
当時、あのアニメの人気爆発度合いは異常だったから、今回そんな現象が起こるとは流石に考えづらい。
とはいえ、大人気ゲームであることには間違いないし、Twitterを見てもめちゃくちゃ買っているオタクはいる。
ここで動かずに、後悔はしたくない。
そんな熱い想いを胸に入った4店舗目にも、くじは置いていなかった。
5店舗目
もう帰ろうかな・・・
この時点で1時間半ほど歩いていた私は、流石に帰りたくなってきた。先ほどの「熱い想い」はどこへやら。
暑さでバテている私を、道端のスタバやマックが容赦なく誘惑してくる。
適当な所で切り上げないと、くじに使うはずのお金を別の店で溶かしてしまう。
そんな懸念もあった。
祈るように行った5店舗目にも、やっぱりくじはなかった。
一応店舗検索でヒットしたところに向かったのだが、くじが置かれそうなスペースすらどこにもなかった。どうなってん?
6店舗目
どうしても諦めきれなくて、6店舗目。
くじ、なし。
最早そこにあるのは執着と惰性だけだった。別れる直前のカップルみたいな。グッズが欲しいからくじを探すよりも、くじを見つけたいからくじを探す、という気持ちが上回っていた。
帰るか・・・
こうして私は、人生で最も若い土曜日の昼間を、くじを探し回ることに費やし、何の成果も得られず帰宅することを決めた。
7店舗目
ここは店にすら入っていない。帰り道にたまたま通っただけだ。
店舗検索でも引っかかってないし、そもそもスプラトゥーンの看板が出ていなかった。
全世界が私のように浮かれている訳ではないんだ・・・と何故か悲しい気持ちになった。セブンには何の落ち度もないが。楽しいコラボを提供してくれて本当にありがとうございます。
帰路
6店舗目の時点で2駅分以上遠くまで来ていたので、当然帰るには2駅分歩くことになる。
しかも、最寄り駅から家までも徒歩20分以上かかる。
これから約1時間歩くのかと思うと、心身ともにどっと疲れが押し寄せてきた。
一応電車やらバスやらを使う手もあったが、あまりにも虚しい。
炎天下、最後の力を振り絞って歩いて帰ることにした。
とぼとぼ帰っていたら、ゲーム友達からLINEが来た。
「くじ引いたよ~被りありそうだから、今度あげるね♪」
ワォ。
しがない学生アルバイターの私と違い、彼女はしっかり働いているので、社会人パワーでかなりの回数引いたらしい。そして被りをくれるという。もうそれもらえばええやん。
私の一番くじ探しの旅は、複雑な感情とともに幕を閉じた。
総歩数13000歩、所要時間約3時間。得た物は自販機で買った100円の水のみ。
後日私は彼女から景品を頂くことになると思うが、それはそれとして自分でくじを引くワクワク感も味わっておきたい。
きっと私は明日も懲りずにセブンイレブンへ足を運ぶ。
だって一番くじは私の青春なのだから。